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【国際交流】Inter Cultural Studies of Architecture (ICSA) in Istanbul 2025

ICSA in Istanbul 2025 トルコ・バフチェシヒル大学における海外実習

2008年12月に締結したトルコ・バフチェシヒル大学との間の一般交流協定に基づき、2010年度から、修士課程の大学院生と教員が約半月間トルコを訪れ、授業の一環として保存修復関連の実務訓練を行う海外実習を実施しています。今年度は2025年10月21日(火)から11月7日(金)の18日間、修士2年生の10名(建築学専攻と景観建築学専攻合同)が海外保存修復実習の授業の一環として現地で実習を行いました。

引率者:上町教授

「スケッチ展とチャムルジャの丘見学、帰国」

2025年11月6日(木)、11月7日(金)

最終日の朝、お世話になった寮のスタッフの方々に挨拶し、寮を出ました。午前中にバフチェシヒル大学北キャンパスでスケッチ展の準備をし、昼から1Fのラウンジでスケッチ展を行いました。ムラト先生、シネム先生の他、オゼン先生、べリンダ先生、ゼイネップ先生、ジャナイ先生、ICSA in JAPANの参加学生など、多くの方々が展覧会に来てくださいました。片付け後、ムラト先生、シネム先生に案内頂き、大学バスでアジア側のチャムルジャの丘へ出かけました。川のように見えるボスポラス海峡を挟み、ヨーロッパ側の景観を確認することができました。その後、ショッピングセンター、マンション、ホテル、劇場などが入った複合施設、ゾルル・センターに寄り、イスタンブール空港に向かいました。夜中にイスタンブールを発ち、次の夜、無事に関西空港に戻りました。

お世話になった寮の方々と


スケッチ展の準備


先生方やICSA in JAPANの参加学生など多くの方が来て下さったスケッチ展


アジア側のチャムルジャの丘へ行きました。

巨大な複合施設、ゾルル・センター

研修中大変お世話になったムラト先生とシネム先生にお礼。本当にありがとうございました。

イスタンブール空港での待ち時間に最後のレポートに取り組む

無事に関西空港に到着。18日間の研修、お疲れ様でした。

「ボスポラス海峡クルーズおよび理事長表敬訪問」

2025年11月5日(水)

午前中はムラト先生、シネム先生に引率いただき、大学のそばのベシクタシュ港からボスポラス海峡クルーズへ出かけました。今回の研修中に訪れたオルタキョイ・ジャーミィやルメリ・ヒサルの海側からの景観を確認することができました。また、クルーズにはICSA in Japan 2025に参加した2名の学生も同行してくれました。午後には、エンベル理事長を表敬訪問し、その後、バフチェシヒル大学北キャンパスに移動してスケッチ展の準備を行いました。夕方からは北キャンパスで開催されたアンタキヤのシンポジウムに参加しました。寮に戻ってから夕食を取り、解散したのは22時ごろ、と遅くなりました。

ボスポラス海峡クルーズに出かけました。

海側から見たオルタキョイ・ジャーミィ

海側からみるとルメリ・ヒサルが急斜面に建っていることがよくわかります。

ICSA in Japan 2025に参加した2名の学生と写真撮影

スケッチ展に向けて、仕上げの着色

「カーリエ・ジャーミィおよびスレイマニエ・ジャーミィの見学」

2025年11月4日(火)

本日はゼイネップ先生とジャナイ先生に引率いただきました。カーリエ・ジャーミィはビザンティンの時代に修道院として建てられた建物で、オスマン朝時代には内部のモザイク画やフレスコ画が漆喰で塗りつぶされていましたが、20世紀半ばの保存修復により、再び見られるようになったとのことです。その後、オスマン帝国時代を代表する建築家シナンの作品であるスレイマニエ・ジャーミィを見学し、内部のスケッチをしました。午後からは、バフチェシヒル大学北キャンパスへ行き、建築学科の一室をお借りして、スケッチ展に向けて、スケッチの仕上げに取り組みました。


カーリエ・ジャーミィを見学。現在はモスクとして使われていますが、フレスコ画やモザイク画を見ることができます。

カーリエ・ジャーミィの内部をスケッチ


建築家シナンの作品であるスレイマニエ・ジャーミィを見学し、スケッチしました。

バフチェシヒル大学北キャンパスでスケッチ展の準備

「バシリカ・シスタンおよびベイオール地区見学」

2025年11月3日(月)

本日もムラト先生とシネム先生に引率いただき、大学バスでスルタンアフメット地区まで行き、ミリオンストーンに立ち寄った後、6世紀に造られた地下貯水槽であるバシリカ・シスタン(地下宮殿)を見学しました。その後、エミノニュまで歩きました。徒歩でガラタ橋を渡り、途中で橋の上からの景色をスケッチしました。テュネル(地下ケーブルカー)と徒歩でガラタ塔まで行き、塔の上からの景色や内部の展示を見学後、イスティクラル通りを歩きました。イスティクラル通り沿いにあるセント・アントニオ教会などを見学し、ロカンタで夕食をとった後、タクシム広場まで歩き、2021年にリニューアルオープンしたアタテュルク文化センターを見学しました。


6世紀に造られた地下貯水槽であるバシリカ・シスタン(地下宮殿)を見学

ガラタ橋。歩行者、車および路面電車が通ります。


ガラタ橋を歩いて渡り、途中でスケッチ。

トルコで最も古い地下鉄、テュネルに乗りました。

ガラタ塔


ガラタ塔に登りました。保存修復され、内部は博物館になっています。

歩行者とトラムのみが通行できるイスティクラル通り

タクシム広場周辺を見学

ファサードのデザインを変えずに再建されたアタテュルク文化センター

「スケッチ展の準備など」

2025年11月2日(日)

本日は、イスタンブールマラソン2025開催のため、市内の公共交通機関は運休、周辺道路も車両通行止めとなっていました。午前中は寮内の共有スペースでポスターを制作するなど、6日に開催するスケッチ展に向けて準備を行いました。また、午後は徒歩でAkaretler、ベシクタシュなど近隣を見学し、スケッチしました。


ポスター制作

制作したスケッチ展のポスター


イスタンブールマラソン2025開催のため、車両通行止めになったベシクタシュ通り

Akaretlerを再度、見学。

「エディルネ見学」

2025年11月1日(土)

本日も、ムラト先生、シネム先生に引率いただき、イスタンブールのエディルネを訪問しました。1361年からイスタンブールに首都が移る1453年までオスマン帝国の首都だった町です。大学バスで移動しましたが、イスタンブールでの交通渋滞がひどく、エディルネに到着するまで3時間40分かかりました。エディルネでは1575年に完成し、ミマール・シナンが自身の最高傑作だと自負していたセリミエ・ジャーミィを見学しました。建物内部は昨年に引き続き保存修復中であったため、外観をスケッチしました。ICSA in Japanの1期生で、エディルネで建築士として働いておられるガムゼさんが今年もICSA in Istanbul のメンバーに会いに来て下さいました。
エディルネでもっとも古いモスク、エスキ・ジャーミィを見学したあと、大学バスで少し移動し、ベヤズット2世の複合施設の一角にある、医学博物館を見学しました。オスマン朝時代は病院や医学校だったとのことです。

外部の修復を終え、3年前から内部を保存修復中のセリミエ・ジャーミィ。どの時代のドーム装飾に戻すのか、修復後のデザインについても議論があるとのことです。

セリミエ・ジャーミィの外観をスケッチ

セリミエ・ジャーミィで記念撮影。ICSA in Japan 1期生のガムゼさんが来てくださいました。


1414年完成の、エディルネで最も古いエスキ・ジャーミィ


ベヤズット2世の複合施設の一角にある、医学博物館を見学。オスマン朝時代の医療の様子がわかります。

学生のスケッチ

「ビュユック島を訪問」

2025年10月31日(金)

ムラト先生、シネム先生に引率いただき、マルマラ海に浮かぶプリンセス諸島最大の島、ビュユック島へ行きました。船に乗る前に、1年ほど前に整備されたカバタシュ港のランドスケープを見学しました。島内は環境保護のために自動車の利用が禁止されており、電気自動車と徒歩で移動しました。山の上にあり、ヨーロッパ最大の木造建築であるグリーク・オルファネージを特別に見学させて頂き、建築家のポリディス先生に歴史や建物の各所について解説して頂きました。1903年から1964年までギリシャ正教会の孤児院として使われていましたが、孤児院の移転後、傷みが進んでおり、保存修復は難しい状態だということです。保存状態が比較的良い南側をスケッチし、帰りは徒歩で山を下りました。島内の港近くの食堂でイスタンブール名物のサバサンドを頂きました。

カバタシュ港のランドスケープ 広大なスロープに人工地盤緑化が施されています。

ビュユック島への船内で朝食を頂きました。


島内は電気自動車で移動



グリーク・オルファネージを見学し、スケッチ。

イスタンブール名物のサバサンドを頂きました。


学生のスケッチ

「グランドバザールとスルタンアフメット地区を見学」

2025年10月30日(木)

午前中はムラト先生とベリンダ先生に引率いただき、バロック様式のデザインを取り入れた初めてのモスクである、ヌール・オスマニエ・ジャーミィを見学しました。グランドバザールでは特別に屋根の上に上がらせて頂きました。午後はゼイネップ先生、ジャナイ先生に引率頂き、西暦537年に建てられたアヤソフィアを見学しました。当初は教会でしたが、時代とともに様々に利用され、現在はモスクとなっています。見学後、外観をスケッチしました。また、ヒッポドロームでドイツの泉、トトメス2世のオベリスク、蛇の柱、切石積みのオベリスクを見学したのち、16世紀に建てられたイブラヒムパシャ宮殿を保存修復し活用している、トルコ・イスラム美術博物館を見学しました。夕食を頂いたのち、15世紀のハマムを保存修復したホジャパシャ文化センターでトルコの伝統的な旋回式舞踏を鑑賞しました。

バロック様式とオスマン様式が混ざり合ったヌール・オスマニエ・ジャーミィ

ヌール・オスマニエ・ジャーミィの中庭で記念撮影

グランドバザール この屋根の上に上がります。


グランドバザールの職員の方にご案内いただき、屋根の上に上がりました。



アヤソフィアの内部を見学後、公園から外観をスケッチしました。

ローマの大競技場の遺跡であるヒッポドロームを見学

トルコ・イスラム美術博物館を見学

学生のスケッチ

「ルメリ・ヒサルとオルタキョイ地区を見学」

2025年10月29日(水)

ムラト先生とベリンダ先生に引率いただき、大学バスでボスポラス海峡沿いを北進し、1452年に建てられた要塞、ルメリ・ヒサルへ行きました。ルメリ・ヒサルの歴史について、ムラト先生に解説頂きながら見学しました。ルメリ・ヒサルは昨年から新たな保存修復工事が始まっており、最も高い所までは行けませんでしたが、塔と第2ボスポラス大橋が見える場所でスケッチの時間を取りました。
大学バスでオルタキョイ地区へ行き、1853年にボスポラス海峡に面して建てられたオルタキョイ・モスクを見学しました。前日に見学したドルマバフチェ・モスクと同じ建築家、バリアンによって作られ、大きなガラス窓のある明るい内部空間が特徴的です。昼食をはさみ、オルタキョイ・モスクやボスポラス海峡周辺の風景をスケッチしました。

コンスタンチノープル征服に向けて1452年に建設されたルメリ・ヒサルを見学

昨年から新たな保存修復工事が始まっています。

ルメリ・ヒサルの塔と第2ボスポラス大橋が見える場所でスケッチ

ルメリ・ヒサルで記念撮影

オルタキョイ・モスクを見学しました。

大きなガラス窓のある、明るい内部空間





学生のスケッチ

「ドルマバフチェ宮殿などを見学」

2025年10月28日(火)

本日もムラト先生とシネム先生に引率いただき、徒歩でドルマバフチェ宮殿へ行きました。最初に公的エリアであるセラムルクを見学した後、特別に許可を頂き、儀式の間(大広間)をスケッチしました。
ドルマバフチェ宮殿の敷地内にあるカフェで昼食をとった後、午後からはスルタンの居住空間であったハレムを見学しました。その後、隣接するドルマバフチェ・モスクを見学しました。夕食はベシクタシュ港のそばにあるトルコ料理のレストランで頂きました。

ドルマバフチェ宮殿を見学。大理石を用いたヨーロッパ式の建築となっています。

手入れの行き届いた庭を通り、宮殿に向かいます。

ドルマバフチェ宮殿はボスポラス海峡に沿って建てられ、海からの入り口があります。


宮殿に隣接するドルマバフチェ・モスクも見学しました。


学生のスケッチ

「ピエール・ロティの丘とエミノニュ地区を見学」

2025年10月27日(月)

本日はムラト先生とシネム先生に引率頂きました。エユップからロープウェイでピエール・ロティの丘に上がり、チャイハネでスケッチをしました。その後、エミノニュ地区へ移動し、グランドバザールの中を見学し、バザール内の老舗レストランで昼食を頂きました。午後はイェニ・ジャーミィ、エジプシャンバザール、リュステム・パシャ・ジャーミィを見学しました。

ピエール・ロティの丘で記念撮影

ピエール・ロティのチャイハネで眼下に広がる景色をスケッチ

ムラト先生からグランドバザールの説明を受けました。


イェニ・ジャーミィで記念撮影


エジプシャンバザールを見学。イェニ・ジャーミィの運営の為に作られました。



学生のスケッチ

「Ihlamur Kasirlari、海軍博物館など見学」

2025年10月26日(日)

午前中はベリンダ先生に引率いただき、オスマン帝国時代の夏の離宮である、Ihlamur Kasirlariを見学し、外観をスケッチしました。午後からはシネム先生とベリンダ先生の案内のもと、ベシクタシュ地区にあるイスタンブール海軍博物館と王宮コレクション博物館を見学しました。王宮コレクション博物館はドルマバフチェ宮殿の台所だった建物を改築して作られたものです。最後にドルマバフチェ宮殿と同時期に宮殿の山側に建築され、現在は保存修復されている連棟住宅Akaretler の街並みを見学しました。



オスマン帝国時代の夏の離宮Ihlamur Kasirlari を見学し、スケッチしました。

Ihlamur Kasirlari で記念撮影



イスタンブール海軍博物館の見学

保存修復された連棟住宅Akaretlerの街並み

学生のスケッチ

「ブルサ見学」

2025年10月25日(土)

本日は大学のバスでイスタンブールの南にある古都ブルサを訪問しました。ムラト先生、シネム先生、ベリンダ先生に引率いただきました。
はじめに、伝統的な住宅が残り、現在も使用されているジュマール・クズクを訪れ、建物の特徴や町並みについて解説頂きました。そのあと、青い外壁タイルが美しいイェシル・テュルベとブルサで最大のモスク、ウル・ジャーミィを見学し、スケッチしました。ムラト先生から解説頂き、ウル・ジャーミィと初日に見学したスルタンアフメット・ジャーミーの構造の違いを理解できました。また、1490年に建てられた隊商宿で今はバザールとなっているコザ・ハンを見学し、近くのロカンタで夕食を取ったのち、帰途につきました。

大雨の中、ジュマール・クズクを見学

ジュマール・クズクの伝統的建築は1階が石造、2階が木造となっています。

スルタンの霊廟であるイェシル・テュルベ。青い外壁タイルが特徴的です。

イェシル・テュルベの外観をスケッチ。

ウル・ジャーミーを見学。20個のドームが連なり、大空間を形成しています。

かつて繭(コザ)の取引をしていた、コザ・ハンを見学。

学生のスケッチ

「ユルドゥズ宮殿など見学」

2025年10月24日(金)

午前中にムラト先生、シネム先生の引率でオスマン帝国時代の最後に作られたユルドゥズ宮殿と庭園を見学しました。その後、バフチェシヒル大学北キャンパスを訪れ、大学内の食堂で昼食を取ったあと、ゼイネップ先生の案内で建築・デザイン学部の建物を見学し、ムラト先生の研究室も訪問しました。また、ベシクタシュにあり、ミーマール・シナンの設計とされているシナンパシャ・ジャーミィを見学し、内部および外部をスケッチしました。

ユルドゥズ宮殿の見学

ユルドゥズ宮殿の庭園

建築・デザイン学部のある、バフチェシヒル大学北キャンパス


シナンパシャ・ジャーミィを見学し、内部と外部をスケッチ



学生のスケッチ

「木造建築の保存修復現場の見学および学長表敬訪問」

2025年10月23日(木)

バフチェシヒル大学南キャンパス内のカフェで朝食をとったあと、大学のバスでアジア側のACIMADEMにある、オスマン帝国時代の大規模木造建築「AHMET RATIP PASA KOSKU」 の修復現場へ向かいました。到着後、修復を請け負っている会社「AUBA」の担当者、セルデさんから修復の概要について説明を受け、その後、建物内や修復の現場を見学させて頂きました。見学の際、木造建築の修復に長く携わって来られたバフチェシヒル大学のデメット先生からも保存修復の手法について解説を頂きました。
午後にバフチェシヒル大学のエスラ学長を表敬訪問し、学長室のテラスで記念撮影をしました。

木造建築の修復現場でのレクチャー

オスマン帝国時代の1900年頃に作られ、保存修復中の大規模木造建築


木造建築の修復工事現場の見学

保存修復中の建物の前で記念撮影

バフチェシヒル大学のエスラ学長を表敬訪問

「スルタンアフメット地区見学」

2025年10月22日(水)

早朝にイスタンブール空港に到着し、滞在先のBAU VISTA (学生寮)に移動したあと、スルタンアフメット地区を見学しました。バフチェシヒル大学 建築・デザイン学部のムラト先生とシネム先生に引率していただきました。
はじめに、オスマン帝国時代に400年もの間、行政の中心として使用されたトプカプ宮殿を訪れました。トプカプ宮殿では謁見の間、台所、ハレムなどを見学しました。テラスから金閣湾、ボスポラス海峡、マルマラ海やアジア側を望み、当時のトプカプ宮殿の地理的な重要性を理解しました。スルタンアフメット地区のキョフテ専門店で遅い昼食を取ったあと、イズニックタイルが美しいスルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)を見学しました。

イスタンブール空港に到着後、滞在先のBAU VISTA (学生寮)に移動。寮の前で記念撮影。


オスマン帝国時代に400年間使用されたトプカプ宮殿を見学しました。

トプカプ宮殿のテラスからマルマラ海やアジア側を望み、地理的な重要性を実感。

トプカプ宮殿の庭でスケッチ


イズニックタイルが美しいスルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)を見学





学生のスケッチ